2009年02月27日

雨の温度

オープンスタジオのためのインスタレーションの設置もほぼ終えて、
夕方近くのスーパーに買い物。

夕暮れの青い世界。
空はものすごい早さで雲が流れていく。
気温はいつもよりあたたかくて、生温い。
空気に湿度の重みを感じる。
この街にももうすぐ春がくるのだろうか。

買い物を済ませても、すぐに部屋に戻る気がしなくて、川沿いを散歩する。
考えても仕方のない事をだらだらただ反芻しながら。

そういう私の内側のことは、どこに居たって変わる事ではない。

ぐるりと川を遠回りして帰宅し、簡単な夕飯をすませ、
窓を開けて搬入の続きをやる。
だらだらと、考えながら、自分をじらしながら。

強い風がふいてきて、外から湿気の匂いがした。
そのあとすぐに湿度がぎりぎりの飽和状態にこらえきれなくなってしまったかの如くバラバラと雨が降り出す。

まるで堪えきれなくなって泣き出してしまったかのように。

こんな日はいつも考えこんでしまう。

いつまでたってもわからない事が浮かび上がってくる。
湿度が私の内側に沁みてくるようにじんわりと....

私は大人になってもいつまでも、わからない事はわからないままだ。


展示のために暗くした部屋で聞く雨音は、東京の我が家で
眠りにつきながら聞く雨音の心地よさと似ていた。

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2009年02月26日

はるのにおい

今週末はオープンスタジオで、私はインスタレーションと連続写真のアニメ−ションムービーを展示する予定。
ボジャに「Rika, you have too much project!!」とつっこまれつつも、だってやりたいんだもん、仕方がない。

折り紙@glogau.jpg

夜な夜な繰り広げられるケーキタイムでもすかさず折り紙持ち込み。
しっかし、なんでみんなこんな満面の笑みなんだ?



今週ははメディアセンターのワークショップはお休みしたけど教会は今日ぐいっと行って来た。そしたらクリスティーナが近所の友人と一緒に折ったのよ、と鶴を紙袋にどっさり持って来てくれていて、、、
彼女の「鶴」はすこし癖があるのだけど、ぜんぶその癖が移ってるの、それがすごく面白くて感激で、手仕事ならではというか、亜種が亜種を生み出していく、その瞬間を見て、ぐっと来てしまった。


madamu.jpg

彼女は最初全然折れなかったんだけど、インターネットで手順を見つけたらしく、今では折り紙マスター。

その後自転車でホームセンターみたいなツールショップへ寄りよる帰宅。
夕方の空気の匂いが少し暖かくて春の匂いがした気がした。。。
でも最高気温3°

窓を開けながらインスタレーションの展示。気持ちいい。

搬入中.jpg

自分の部屋での展示なので、ただいま折り紙に囲まれての生活。


そして今日の夕餉は ザ和食だったからちょっとのっけてみる。
玄米、サーモンソテー、かぼちゃのぽくぽく煮、ルッコラとサーモンのサラダ。
しょうゆさえあれば、やれば出来る、どこでも和食。

和食.jpg

神山の方に頂いて自分で手を加えた竹箸がとっても重宝している。


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2009年02月22日

susi & origami night

マイクとは近所なので、今度家に遊びにいきたーいとせがむと、「それじゃ金曜日に寿司&折り紙ナイトをやろう」ということで、金曜日はマイクが友人達に声をかけてくれて、お寿司と折り紙を振る舞いました。

すしナイト.jpg

金曜日は近所でトルコマーケットがあるので、そこでありえない量のサーモンとマグロそしてオーガニックマーケット(日本食材の多くはオーガニックマーケットで扱われている事が多いの...)でこれまたあり得ない量のわさびやガリを買い込むマイク。
私が、マイク、そんなに食べられないと思うよ...と諭しても、「私がこの半分は食べるんだよ!」と全てにおいて買い込む。

気が付いたら彼女は巻き寿司を撒く「巻き簀」まで買っていて、自宅で巻き寿司の手順の冊子みたいなのを広げて「beautiful~」とうっとりしている....
巻き寿司、やった事ないけれど、これはやってあげないとなー、ってことで、巻き寿司もつくってみた、けっこう簡単。


pakow.jpg

ここでもまた人んちのキッチン使いこんでいます、彼女のキッチン持っているツールが私好みで使いやすかった。。。


ご飯も、すし酢も全て目分量だったけど、なんだかとっても美味しく出来て、みんな喜んでくれました。


hasi.jpg

箸も持ち方はみんなOK


pakow.jpg

でも食べるときはこんな風に...

だいたい日本だとこの流れで折り紙には行かない、今日もそんな感じかなーと思っていると、やると云ったら必ずやる女、maikeはぱぱぱと片付けて、珈琲までいれてくれて、origaminight開始。

origaminight.jpg


夜中の3時頃までorigaminightは続き、みんな鶴とあやめと猫をマスターしてくれました。
素敵な金曜の夜。
またしても暮らしている感じがじわじわ沁みてくる素敵なsusi &origami nightでした。

maike&pakow.jpg

Maike とPakow
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2009年02月20日

くらすかんじ

ここ数日雪が降っている。でもどかっとではなく、人知れず積もっている感じ。
雪が降ったからといって東京みたいに急に街のリズムが狂うことなく、相変わらず静かに淡々と、街は動いているのか止まっているのかわからない感じで皆営みを繰り広げている。

sorri.jpg

近くの公園もこんな感じ。


今日はメディア開発センターでのワークショップ。
こんな雪の日は電車からの景色も別世界で、わざと遠回りしていきたくなる。
電車に乗るためのきっぷは何種類かあって、片道2時間までどこまでもいけるチケットがあるので、目的地までどのルートを縫い合わせていくか、鉄子の血が騒いでしまう。ぐるりとまわれば2時間以内で行って帰ってくるという裏技も出来るし、途中下車しての寄り道も出来ちゃう。。。
けど、此処のところ忙しくてそういう愉しみもおあずけ中。

でも駅は初めて使う駅から乗ってみた。
その途中に前から自転車で通り過ぎる度に気になっていたブックショップへ。。


kotokoto3.jpg

ショーウィンドーも可愛くって良く見たら日本語の書籍が。。


kotokoto4.jpg

そこは古本屋さんで、美術系や、映画、テキスタイルの本と紙物の雑貨を扱うお店。
まるで友人みきちゃんが営む言事堂みたいな古本屋さん。
(広さは10倍くらいあったけど)

嬉しくなって、かなりの時間だらだらしてしまう。



そして目的地のPankowへ。
ここは旧東のエリアで、町並みがゆったりしている住宅街

旧東の町並み.jpg

街の通りのコーナーの建物がアール状でかっこいい。
私の見解だと、こういう建て方は旧東的だと勝手に思っている。




ここでのワークショップも3週間目を向かえて、子供達も、スタッフ達も私に慣れてくれた感じ。
一緒にお茶を飲んだり、雑談したり。
終わったら「じゃぁまた来週ね〜」とハグしたり。

ワークショップを終えて帰りながら、なんだかこの街で東京でのくらしと変わらず同じような事をやっている事に気付く。。

自作自演でワークショップをしたり。

お気に入りのスーパーで買い物したり、本屋で立ち読みしたり。

帰り道いつもと違う道を歩いてみたり。。

帰宅したら急いでご飯を作って食べて、制作にもどって

ときには一度も出かけずに制作に没頭したり

時々友人と外であって食事したりして。

そんな感じでいつのまにかこの街に沿って暮らし始めている。


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2009年02月18日

ぐるりのこと

日曜日はベルリン国際映画祭の最終日。
夏に東京で公開されていたけど見逃した「ぐるりのこと」を見る。

90年代バブル崩壊後社会全体が大きなパラノイアに傾いていったとき、負荷のかかった部分が腫れ上がってやがて膿みがでてきてしまった。そんな社会背景をきっちり描きつつ、普通を普通に見せ且つ心に入るってくる。それぞれの事情、それぞれの傾き方、そしてそれをとりまく社会。

映画「ぐるりのこと」はリリーフランキーと木村多江の演技によって、日本で営みを行っている私たちにとっては自然に且つ巧みにリアリティにするりと入り込む。
ベルリンでこの映画は「普通」なのだろうか....

そして制作はシグロ、そこにもぐっときてしまった。
大好きな映画をいつも有難う。

映画を見終わったら外は降り積もった雪で真っ白な世界。
自転車をつれて地下鉄で帰る。
少し手前の駅で降りて雪の夜道のサイクリング。

ひんやりした雪が顔にぴたぴた触れるのを心地よく感じながら、映画を反芻し、この映画を夏に見ていたら、今の私はどういう感じだったんだろうと、すこしそんなふうに思ったのだ。



posted by akirika at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2009年02月16日

鉄子ドイツ編

sakana.jpg


ドイツでの電車旅は一昨年のドイツアート旅で激しくドイツ中を移動し満喫したので、今回はまだ未遂だったのですが、DBの駅に行って遠距離列車を見るたびに鉄子の血は騒いでいたわけで....

土曜日は出月さんに誘われてこちらで知り合ったアーティストダニエルの展示のオープニングハンブルグへ。
早朝4時半にGlogauから自転車で中央駅へ、そこから電車を2回乗り継いで4時間の電車旅、港町のハンブルグで魚。。。。
テンションが上がらないはずはない。


:

DBは普通列車も新幹線ぽい内装


なんの下調べもせずにいったので、ハンブルグがベルリンよりもさらに北だということに着いてから体で気が付きました。

景色.jpg

車窓はつねにこんな感じの景色で時々子鹿がいました。
頭の中で流れている音楽は勿論「世界の車窓から」のアレなわけで....




ハンブルグ港は帰って来てから地図を見たら北海に流れ込むエルベ川の河口に位置する港で、川なのに港として機能するのが、大陸だなーと感じたり。


umi.jpg


turi.jpg

ここにもやっぱり釣り人はいました、何が釣れるのだろう。。。


結局ダニエルの展示のオープニングまでは居れず、魚もぴちぴちした奴らに出会うことはなかったのですが、列車にはかなりやられました。

dennsya2.jpg

このOLAというタイプの列車はデーィゼルで、乗っていて下から振動が伝わってくる感じが走っている感たっぷりでたまらないのです。
しかもぴかぴかの列車。
まだまだこちらではデーィゼルは現役なわけです。


あぁ、私の中の鉄子が目覚めてしまった、また旅にでてしまいそう。。。。
posted by akirika at 06:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ベルリン

2009年02月11日

幸福神社

エキサイトのニュース欄に懐聞き覚えのある神社の名前。。
「幸福神社」
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1233730686933.html

徳島市内から車を走らせていて神山が近づいてくると、所々に「幸福神社」の看板が立てかけてあって、無性に気になる存在。
私が制作していた寄井座のわりと近くにあるので、道を尋ねられることもしばしばで、何度か食事もしたことがあって、とっても美味しい隠れ家な感じの場所。(隣に民家を改造した料理屋さんがあるのです、但し多分要予約)

でも、神社の実態は実は全然不明だったので、この記事を見てようやく全貌が明らかに。
「殴って蹴って物をぶつけて、気持ちを明るくする神社」
へぇー

今ちょっと暴力が発生する構造について考えたりしているから、少しそのコピーが気になった。
殴って蹴って物をぶつけて、気持ちを明るく、、、かぁ。

バッティングセンター行くようなイメージ?

多分何かが自分の及ぼす力によってダメージを受けて、それを俯瞰し、そのことによって気持ちが明るくなるイメージは自分には持てないのだけれど....
でもそれも物の見方の角度の違いかもしれないなんて、「思考」のほうではまたいろんな角度から眺めすぎて訳が分からなくなっているわけで....

「感覚」としての瞬発力のほうでどんなふうに反応するのか確かめるべくこんど行ってみようかな....


posted by akirika at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 神山町

2009年02月10日

have a nice life

Hommage à schizothymia

猪は森林に住まう生き物である。通常食性は基本的に山林に生えている植物の地下茎、果実、タケノコなどを食べ、動物質は季節の変化に応じて昆虫類、ミミズ、サワガニ、ヘビなどを食べる。(Wikipediaより抜粋)
しかしながら、その森林環境のさまざま変化が彼らの営みに及んだ時、彼らは山を下り人々が住まう領域に侵入してくる。
それは彼らが描く美しい逃走線(※)であるが、しかしながら人々の暮らしにとってそれは脅威になるだろう。

。。。。。。。。。。

自らが育て、彼の営みの糧となる稲田がその逃走線と交わる可能性が生じた時、その人は猪の逃走線を画きなおす試みる用意をする。
現実的な行為は戦うのか?それとも受け入れ合うのか?
その後の互いの逃走線は如何に画かれたのであろうか?
それを知るのは彼と猪のみである。

。。。。。。。。。。

memory of in your hands.
逃走線ー脱領土化と再領土化の繰り返し。
我々は誰しも最終的には自らの手で営みの領土を創りは壊し創りは壊す。
手は破壊と創造を繰り返す。

それはなんのために?

。。。。。。。。。。

※逃走線
結合された環境は、動物が自己の結合された環境に引き返すことを可能にする逃走線と云うべき物が確保されなければならない
(例えば、闘牛場における牛の逃走線ー牛はこの逃走線によって、自分が選んだ場所に戻ることが出来る。)
ついで結合された環境が外部からのいろいろな衝撃によって動揺し、動物が丁度危うい杖にすがるように、自らの内部環境によりかかり、新たな外部の一部と結び合おうとして結合された環境を放棄しなければならなくなる時、第二の逃走線が現れる。
海が干上がると「原始魚」は自分を移動させることを余儀なくされ、大地を探検しようと自らの結合された環境を離れる。そして、胚を保護するためにもはや羊膜の内部にしか水をたくわえない。いずれにしても動物とは攻撃するというよりかは、逃走するものであるが、その逃走とは征服や創造でもあるのだ。領土性したがって、すみずみまでさまざまな逃走線によって貫かれているのであり、これは領土性のうちにさまざまな脱領土化と再領土化の運動が現存していることを示している。  
「千のプラトー」より


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2009年02月08日

Berlnale 59th ベルリン国際映画祭

映画は独りで観に行くのが好き。しかも単館モノで、最近はドキュメンタリーをどうしてもチョイスしてしまう。

久しぶりに地下鉄にのってBerlnaleが始まっていることを知る。
土曜の夜、どうしても独りで映画が見たくなり、想田和弘監督の『精神』を引き当て、夜22:15からの上映に駆け込みでアレキサンダープラッツへ。


アレキサンダープラッツの塔.jpg

霧がかかった塔を見て、なんだか映画みたい。。と映画を観る前に思う。


『精神』は精神病院に通う患者を撮ったドキュメンタリー。
http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000guftd.html
映画は2時間10分ナレーションも、音楽もなく、ただただ患者の生の姿がそこに映し出されている。通常TVなどのドキュメンタリーだと名前は仮称で顔は撮らない。
しかし、ここでは顔と表情が終止映画の重要な表現になっている。
最後のテロップで、出演した患者さんの中で、既に3人この世から去っていることをみじかい文章で告げる。
その三行は、見るものに問いを投げかけている。

映画が終わって質疑応答。すばらしい、という賞賛ばかりが並ぶ。それはそうなのだけど、なんだか心地悪い....と思っていると最後に日本人の観客がそれに反応して監督へ問いをなげかけた。
「あなたは大変なことをしてしまったんじゃないか」と...
でも私は、それは監督にかぎってのことではなく、私たちの日々は誰もがそうしてしまう可能性にお互いあるということ。

そう、お互いに。

社会は常にそのアンバランスさを情報という捏造された事実で覆ってしまうことでバランスを保っているふりをしているということを想田和弘監督は抽出しようとしていて、その行為の線上に今回の「精神」という映画が現れたのだと私は感じた。

つくる側からの視点でこの映画を観ると、コミュニティに関わることの危うさを感じられずにはいられなかった。
関われるのはごく僅かな時間で、でも関わったからにはお互いに影響を及ぼしてしまう。そうでなければ作品はリアリティを伴ってはこない。しかしそれを引き受け、且つアーティトとして作品としての映像をつくりあげていくには、相手を傷つけそしてこちらも傷を負うこと、それを避けることは出来ないだろうと思う。
しかしながらドキュメンタリーフィルム『精神』は想田和弘監督の作品だった。

みっちり1時間ほど質疑応答が終わったのが深夜2時前。
全然地下鉄もバスも走っている。


√9=±3

映画に出てきた記号から派生する自分自分勝手なイメージを思い浮かべながら、霧に包まれた町並みを眺めながら帰宅する。

..............................

59th Berlnaleは来週の日曜日まで。
日本で見逃した「ぐるりのこと」もやっている。
今週は久しぶりに映画三昧もわるくないかも。

映画が普通に850円(7ユーロ)くらいでみれちゃうんだもの。

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2009年02月07日

空け開げの場所


f0183317_2461620.jpg


naga0kaくんのブログでみたAAFの円陣の写真がなんとなく頭にくっついている。


朝、起きて空が青くて本を読む気がしなかったので、自転車で南へ。
ノイケルンという町に向かう。

トルコ人ばかりだよという話のとおりそのままで、私が今居るクロイツベルグと見た目そんなに変わらなくて、引き返す気になれなくてそのままもっと南へそして西へ向かい、旧東側のしかも未だほっとかれている地区を彷徨う。

ベルリンを自転車で移動していると、さびれたかと思うとまた栄えた町に着く。
トウキョウを歩いていても時々そんなふうに感じることがある。

自転車で気になる道から道へと進む。
感覚的な心地よさと、どこへ行くのかわからない不安が相まる感じ、好きでやめられないし、勿論そう云うときは地図も見ない。

気になる森に遭遇したので入ってみる。
そこは木とお墓の森だった。


お墓気になる木.jpg

大きな木が育ち、その木々の葉がお墓の上にふる積もる。
落ち葉の間には、多分リスかなにかの糞もあって、それを眺めていると昔ある人がへんてこな病気と今後つきあうことが判明したときに、多分猛烈に考えて「自分は死んだらそのまま埋めて欲しいなー」とぽつりと云ったのを思い出す。
私はその時は「私はどちらかというと跡形もなく消えたい」と云った。けれどもこういう処なら、そのまま埋められたいなーとぼんやり想う。
そして今日は神山のあの方の四十九日の法要だった....


そのまま突き進むとこんどは丸く木が植えられて真ん中がぽっかりと開いた空間にたどり着く。それはまるでハイデッガーのテキスト「杣径」に出てくる「空け開げの場所」のような場所。
そう、今日の私にとって思索の森にたどり着いていたの。


お墓円形.jpg

それは、沖縄の久高島の聖地でも感じた、ぽっかり開いた場所だった。



その後かっこいいテンペルホーフ空港を横切って、やっぱりぽっかり開いたような円く大きな交差点。


円形交差点.jpg


かっこよすぎる。
テンペルホーフ空港にしても、反対の北側へ向かった旧東側の町並みにしても、円形を意識した建築や町並みは目いってしまう。
大きさとそのかたちが表象するものは権威的とも云えるけど、表徴として現れるものはただただかっこいいと思う。

そんな「堂々めぐり」な自転車一人旅を結局4時間もしてしまい、夕方戻って来たら庭でボジャが一人プロジェクトのテストをしている。
出月さんのケーキを頂いていると、ボジャが戻って来て、ピザまでご馳走される。
(感謝!なのですが...)


piza.jpg

ピザを切り分けてくれるヴェセナ



cake.jpg

スペシャルケーキ



4時間のハードなサイクリングは、確実に帳消し。

明日も晴れたら自転車で遠出しようっと。





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2009年02月05日

折り紙ワークショップ in Berlin

飛び込みで教会にワークショップの申込をしてから一週間。
ほんとうに憶えてくれているだろうかとちょっと心配になりながら自転車で教会に向かう。


フライヤー教会.jpg


メッセージボードに手書きのフライヤーが!!



sweets.jpg

そして部屋に入るとものすごい量のスゥーツで出迎えてくださいました。
(珈琲タイムだからなんだけどね...)
お茶を頂きながら、早々にマダム達は折り紙をはじめ、それを眺めながら自分の折り紙の思い出を熱く語る男性。


フライヤー教会.jpg


フライヤー.jpg


man.jpg


一つの話題が始まると、とことん話し始めるし、とことん習得しようとする。
結局3時から5時までみっちり何度も「鶴」をおりました。

作品のポートフォリをを見せても、反応がとても面白く、知っているかぎりの日本の情報や折り紙のことをみんな口々に話してくれます。
そしてこちらにも「意味」と「解説」も求めてくる。


折り紙2.jpg


ほぼオールドイツ語なのですが、この日、ワークショップを快く受け入れてくれたクリスティーナの姪っ子(多分)さんが英語で通訳してくれたことでそれなりに意思の疎通がうまくいきました。
そして最後には「素敵なワークショップをありがとう」ときれいな花束まで頂いてしまった。。。


クリスティーナ.jpg

クリスティーナ


はじめてコミュニティの内側に入ってみた今日。
外側から見たときは閉じられていても、内側に入るとなんの違和感もなくみんなとけ込んでいく。これはいままでにない感覚。
だけど、これはコミュニケーションツールとしての比重の重さが言葉ではなくて手作業だったからだろうか、とも思う。
もし彼女たちの言葉がもっとわかれば違う感想をいだいたのかも知れない。

帰宅後頂いたお花を下のフロアーにお裾分けしにいったら、キッチンでボジャがワインを飲んでいる。
今日の報告をしているうちに折り紙ナイトがはじまる。


ボジャ.jpg


昼間も感じたのだけれど、一緒に折っていると、呼吸が合わさってきて同じ時間と空間のスポットにすっぽり入り込むような感じがある、それは折り紙だけではなくて、たとえばそれが料理であったりとか、農作業であったりとか、勿論作品の制作においてでも、不意にその域にはいっていくことがある。

一人での作業で入る悦は心地いいに決まっている。
けれども他者とのそれで感じられるその悦というのは、相手が異性であろうと同性であろうとちょっとエロティックだと思う。
勿論健全な意味で。



明日は子供達とのワークショップ。

さてどうなるかな?





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2009年02月03日

ぐるぐる ぐるぐる

ぐるぐるぐるぐるまわるひとたち。
向かいに卓球バーというのがあって、週に二日ぐらいどういう周期かわからないけど人がはみ出るぐらい集まり、真ん中の卓球台では人が一つの玉をぐるぐるまわりながら楽しそうに卓球をしています。
失敗したら抜けていき、どんどん人は減っていくごとにぐるぐるのスピードは速まり、人々はエキサイティングしていきます。

ぐるぐる2.jpg



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



先週の火曜日に、部屋の扉を開けるとそこに懐かしい顔があって、でも思い出せない、うーんどっかで会ったよな〜えーっと...相手の顔を失礼ながらもガン見していると、その相手が「あれ?アキリカさん?」と私の名前を呼ぶ....
その瞬間彼が淡路島出身のアーティスト丹羽くんであることが判明。
いやほんとうにびっくり。

そしてそこには彼のルームメイトのスペイン人ナイスガイとその彼女も一緒にいて、話の流れで、私がやろうとしているプロジェクトを話すると、その彼女のマイケが猛烈に興味を示してくれ、昨日彼女のオフィスに打ち合わせにいってきました。


ぐるぐる


彼女が働いているのはメディア能力センターという感じの名前のところで、やっていることはいわゆる日本でいう学童みたいなかんじなんだけど、年齢層が小さな子供から高校生くらいまでと広いのと、遠くからベルリンの学校に通っている子供達がステイできる部屋があるということ。
そして彼らの空いた時間のためにさまざまなワークショップを用意している場所がここメディア能力センターの役割みたいです。(多分)


maikeandreo.jpg

マイケとレオくん


話はあれよあれよと進み、毎週月曜日と木曜日にワークショップをすることになり、パパパっとフライヤーも出来上がりました。

フライヤー.jpg




フライヤー用に折り紙を折っているとレオくんがいつの間にか紙を手にしている....


reo.jpg


origami.jpg


さっそくワークショップ開始してみる。


others.jpg

他の子達はまったく興味を示さず。



日曜日のミサにいっても感じたのですが、興味を持つ人は猛烈にアタックしてくるけれど、興味を示さない人はほんとうになにもしてこない、というのがベルリンにいての感想。

それだけこちらもわかり易くてやり易い...だけど、境界を越える瞬間もみたいのですけどね。


ということで、これからけっこう毎日折り紙やる予感。
自転車であちこち参上するので、ボジャの甘い物攻撃の夕べにもこれで負けない。
ふふふ


そして、日が暮れて北風チャリンコヒエヒエで帰宅したら、出月さんの暖かいパスタに迎えられる。

idetukipasta.jpg


はー沁みる夕餉。


..........................................

ぐるぐる ぐるぐる 
見えない根っこのようなもので
イメージは意識は つながっていく。
それがまるで別々の踊りであったとしても。

........................................

輪切りにされても、それぞれのワルツを踊りませんか ...

上野茂都さんの言葉がくりかえしくりかえしやさしく頭に浮かび上がる。




posted by akirika at 18:53| Comment(4) | TrackBack(0) | ベルリン

2009年02月02日

Eat and talk

普段の生活では和食主流なので、やっぱりちょっとおなかが疲れてきていて、近くのカルト的なBioマーケットで玄米やお醤油、ごぼうまでも発見し、おまけに知り合いの日本人アーティストさんにほんだしまで頂いたので、最近和食中心の食生活。

ほんだしっておそるべし、なんだって和食にできちゃいます。



肉じゃが.jpg

こっちのジャガイモはもっちり甘くて美味しいので肉じゃがだってなんだか美味しいのです。


ある日のディナー.jpg

そしてドイツビールとの相性もばっちりなのです。


下のフロアーに入居しているカナダ在住セルビア人アーティストのボジャと日本人アーティストの出月さんは毎日私に甘い物をご馳走してくれます。
もしかしたらこっそり私を太らせるプロジェクトを2人で企んでいるのかもしれません。(笑)

しかし、彼らはとても魅力的な人柄で、そしてアーティストとしての仕事も勿論とても魅力的なので、その素敵な会話を交えた食事と甘いおやつはやめられないわけで。。。


ボウジャとJJと出月さん.jpg

ボジャと出月さんと、出月さんの友人のフランス人で日本在住のサイエンティストJJ


そう云うわけで、ここでもツムジ二つ女の効力発揮中。

そして、気が付いたら2月になっていて、月ごとに誰かが入れ替わるこのスペースは、今日2人のアーティストが去り、3組のアーティストが入居してきました。


プロジェクトの方も徐々に進んできています。
今日は午前中すぐそばの教会のミサに行ってきて、ワークショップができそうかどうかのぞきにいったら、ドイツ人の「リカ」さんに呼び止められ、ミサの後のディープなメンバーのお茶会に参加。
オールドイツ語でなにがなんだかさっぱりわからないミィーテイングに1時間いたのだけど、かれらの真剣なまなざしと語り口調を見ているのが楽しかった。

明日はワークショップに協力してくれるというスパニッシュガールに会ってきます。
さぁ、どうなるかな?

滞在3週間目はこんな感じ....
posted by akirika at 06:30| Comment(4) | TrackBack(0) | ベルリン
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