2009年03月31日

はるめいてきた街

ベルリンもここ数日やっと春っぽくなってきて自転車に乗る時に手袋とかニット帽とかなくても平気になってきた。

街はどんどん動き出して、こんなに人がいたの?って感じだけど、それでも東京よりもぜんぜんゆったりしている。

定期市もどこもにぎわっている。

オーガニックマーケット.jpg


先週末、ここを出るアーティストたちとともに最後の晩餐。
すかさず私はラスト折り紙ナイト。


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ボジョの甘い物の攻撃もこの日が最後。


そうして今日、ボジョとベスマはここを去っていった。
昨日の夜、キッチンでボジョが「リカはしっかりした女性だ、だからもっと世いろんなところへ行っていろんな出会いをするんだよ。」と珍しく真面目な顔をして云い、彼の連絡先を教えてくれた。

彼らといつどこで会えるのかはわからないけれど、その言葉はとても支えになる。

来月はじめ私もこの街を去る。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。


夕方、丹羽くんがアポイントメントを取ってくれて、博物館島あたりにあるオフィスに展示されている作品を見にいった。

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丹羽くんはドイツに来てもうすぐ5年が経つのだそう。
彼と知り合ったのは意外と昔からだったのだとその年月を知っておもったのだけど、同世代の作家として注目しているアーティスト。
しかも田舎も近いので、話している事のバックボーンがなんとなく重なる。
その彼が感じたドイツでの作家として生きていく事のリアリティを彼の経験談の中から感じた。

お互いにまだやるべき事がが残っているので、と軽めの夕食を済ませて別れ、真っ赤な夕焼けに誘われて歩く。
昨日からサマータイムに入ったので7時過ぎだけどまだ明るい。

帰宅し制作。
二階堂和美のアルバムを久しぶりに聞いてみる。
窓を開けているときもちいい風が入ってくる。

丹羽くんとの話を聞きながらかってに描いたイメージが無意識にあたまの中を反芻する。
ぐるぐる考える、いや、かんがえるというより、ここのなかをきちんきちんと分別して棚に並べる感じ。。

そうしたら、すっきりみえてしまったのだ。

さて東京で暮らす私はどんな反応を起こすのだろう、少し楽しみでもある。




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2009年03月27日

散々助けられる

作品の為の買い出しに近くのホームセンターへ。

8mm厚の150cm X 75cmの板を4枚。
実物の見本がなくて、少しいやな予感がしたけど、近くにバス停もあるし、
最悪タクシー拾えばいいやと甘く見る。。

いやな予感的中。
カットする工房からレジまで引きずって運ぶ。。

レジのすぐそばに自分で梱包するコーナーがあるので、
ビニールひもで2カ所、丁度自分の肩幅くらいの幅でしっかり固定。
どうにか持ち上げて運べる感じ。

お店から出て10mくらい歩いて休憩、を繰り返しながらバス停(300mくらい先)まで移動する作戦。

ドイツの木材は堅くてしっかりした材木で出来ているんだねーさすがドイツだねぇ〜....とかちょっと気持ちをポジティブな方向に持っていきながら運ぶ。

途中で親切な人がどこまで持っていくんだ、車で来てるのか?
と話しかけてくれる、「いや、M29のバス停まで...」というと
「そっか、ごめん」と足早に去っていく...

うん、それでいい、私もこんなの持ってもらうの申し分けなさすぎるもの。。。

と、今日もまた本格的なスポコンモード。
とりあえず通りすがりの人はみんな見る。
ハーマンプラッツというわりと大きな駅前で一人大きな板を運ぶアジア人。

そこにインド人おじさんがまた声をかけてくれてきてくれる。
「バス停までだから遠いからいいよ」
と云うと、「大丈夫大丈夫」といって一緒に持ってくれる。

本当に助かって、マジで泣きそうになった。
別れ際に、彼もフォトグラファーだと教えてくれて、
メールアドレスを教えてくれた。。。

バスに乗込むと運転手のおじさんはちょっと驚いたけど、
なにもおとがめはなかった。
まわりの乗客は笑ってる。

バスを降りて100m地味に休憩を繰り返して運んでいると今度はドイツ人のお兄さんが一緒に運んでくれる、そしてスタジオの目の前でタイミングよくスペイン人アーティストのピラ&セシリオ夫妻に遭遇、私が見ず知らずの人に荷物は込んでもらっているのを見て大爆笑。
事情を説明すると、セシリオが「じゃあ僕が親切なナイスガイの3人目だ!」と
3階のスタジオまで運んでくれた....


セシリオに「バウハウス(ホームセンターの名前)に一人で行くのはちょっとクレイジーだね。」と突っ込まれる...
いや、本当ドイツの木材を甘く見ていました。



でもなんか、ちょっとこの街に受け入れられた気がして、沁みたりもした。
本当みなさまのおかげで私はここまで大きくなれました。

両腕が筋肉痛....インド人のおじさん大丈夫かなぁ。。


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2009年03月26日

ぐるぐる餃子

約束通り水餃子を振る舞う。

餃子マスターの友人poppaちゃんによると、肉は固まりから叩くのだけど、今回は1kgのひき肉で妥協、、あとはセロリとマッシュルームと白菜。


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餃子って手伝ってもらうこと前提でやるのだけど、
みんな楽しそうにやってくれるからいい。

ここからの写真はベルリン在住アーティスト田口くん撮影。構図とかなんか色々かっこいい。


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キッチンで、餃子を作りながら初対面の人たちがぐるぐるつながっていくのが面白くて、もうすぐここの街を去る私は最近少し感傷的だったりしたのだけれど、なんかまた来るな、多分。。とよくわからないけど感じてしまったのだ。


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餃子はなかなか好評で、小麦粉1kg、肉も1kg分の餃子ぺろり。
もっとつくればよかった、けど1kgの小麦粉を練るのはけっこう体育会系...
餃子ってスポコンな料理だと思う。


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2009年03月25日

3ヶ月くらい経った感じ

美しい夕暮れ.jpg


最近夕方になると散歩する。
ときどき散歩の寄り道で旧西と旧東の境目にあるお気に入りのカフェへいく。
カフェのお兄ちゃんも、私の事を憶えてくれているみたいだ。

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トルコマーケットの陽気な親子がやってるデリのお店のおにいちゃんも、いつもドライトマトのオリーブ漬けをおまけしてくれる。

よくいくbioマーケットのコスメコーナーのおばちゃんも、
今日はいろいろbioコスメの会社の話をしてくれた。

もうすぐ滞在して3ヶ月。
3ヶ月ってそういう事が自然にまわりでくるくるまわっていく期間なのだろう。


で、スタジオに帰ったらキッチンでタマラとカロリーナがワインを飲んでいたので、私も混ざる。
タマラはオーストラリアから来ているパフォーミングアーティスト。
彼女のトークはジェスチャー付きでとっても面白い。
他のアーティスト達もどんどんキッチンに引き込まれて、夜のガールズトーク。

話はコロコロ動いていく。
ベルリンアングラカルチャーのへんてこだけど面白い話しから、それと多分リンクしているであろうコミュニティの閉鎖感について感じる事、そしてお互いの国のイメージやどこの国の男子がいいか、、、とか色々。
ドイツ男子はなんだか人気みたいだった。。。
残念ながら日本人男子はだれも一人も触れていなかったよ...
みんなー頑張ってー


ブラジルから来ているカロリーナは来週月曜日に帰国する。
そう、ここはそう云う場所なのだ。

お互いにシンパシーを感じ合いながらそんなことをしみじみ感じる夜。


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2009年03月22日

旅から帰ってきた日常

今、私が帰ってくる場所はベルリンのこの場所だということを
空港からのバスの中で考えながら、部屋に着くとすこしぎこちなくも懐かしくなったり...変な感触だった。

パリでは春のような気候だったのだけど、ベルリンはまだまだ寒い。
けれども日の長さはめちゃくちゃ伸びて、日も明るくて気持ちよい。


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帰ってきてからは、グループ展の為の映像作品の撮り直しと仕上げで、
毎日マックとにらめっこしています。
背中が凝り凝りです。

折り紙のインスタレーションも仕上げなければいけない...

昨日は材料を調達しに釣具屋へ。

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日本だと安いし使い勝手がいいからという理由で
わりといろんなところで使っていて、
こっそり気付いた釣り人達を喜ばせているのだけれど、
ベルリンでは釣りはセレブな愉しみなんでしょうか、
高すぎて手が出ませんでした。

ガン玉が20個くらい入っているのが2.9ユーロ 350円くらい。
サルカンはいろんな形があって、ちょっと買いそうになったけど
多分ルアー用のだし、5個くらいで2ユーロで、ちょっとムカついたので
結局買わなかった。

でもなかなかシステマチックで美しいサルカンだった。


で、作品の為の道具は別の方法は考えていたので、そっちの方法を選ぶ事に。

あぁ、これってちょっとした逃走線だなぁと、
帰りのバス、春っぽい夕暮れを見ながらまたミルプラトーへ脳内逃避。
夕暮れの思索は気持ちがいい。


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今月末でここを去るアーティストが多いのと、5月のグループ展に向けてなんだかアーティスト同士妙な結束力が出来ているのとで、スタジオでのパーティが多い。


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今日は出月さんホストの寿司パーティ。
なんか、本当にみんなちょっと家族みたいで、ほっこりする週末。

来週はワタクシ水餃子を振る舞います。
ドイツの小麦粉って美味しいし、白菜も味が濃ゆいので美味しい餃子ができます。

餃子を英語でなんていくかわからなくて 
「Chinese food, flour knead with water... thin like white paper... wrap meet and vegetable...」とか云ってるとボジョに「Chinese plastic dinner!」と突っ込まれ、来週の水曜日の8時から 「Chinese plastic dinner!」ってことになりました。

正しくは餃子は「Chaozu」
「Susi」は万国共通。
そしてみんなその言葉を聞くとうっとりする。
寿司偉い。
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2009年03月21日

睡蓮の空間に溺れる

今回一番堪能したのがオランジュリーの睡蓮。

絵画とは空間であることを感じ、それは私が見たい景色だった事を改めて実感する。


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絵画の前に人が立つことの自然さ。

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そして大好きな金田実生さんの絵を思い出した...
金田さんずいぶん会っていないな、、、お元気かなぁ。
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2009年03月20日

まいにちひたすら歩いて見つけたもの

通りすがりに騎士の行進。

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誰も珍しがらない


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そして大渋滞、大迷惑


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すかさず馬糞清掃車


パリに来てもやっぱり森には行っちゃいます。


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印象派な風景


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細い道がいっぱい枝分かれする街を歩いていると、
沖縄の公設市場界隈を思い出してしまった。


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ベルリンで毎日籠っていたので、反省してパリでは本当に毎日歩いて移動。
だって、狭いんだもの、、、
歩く速度で見えてくる街の景色のくるくるはとても面白かったのです。
今、ドイツに居ながらしてミル・プラトーを読んでいるわけですが、そう云うのもあって、かなり妄想しながらのまち歩きを堪能。



posted by akirika at 08:55| Comment(0) | TrackBack(0) | パリ

2009年03月19日

ルーヴルで因縁の方々に会う

ルーヴル美術館は気合いを入れて1日かけてまわりました。
いままで西洋美術になんら興味を抱く事が出来ないのにアーティストとしてやっていってしまっている私が、なぜにみんなそうも云うか、見事に腑に落ちました。

遅い?
いや、これが私のタイミングなのだ、多分。



そして、受験で散々苛められた因縁の方々にお会いしました。


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ミロのヴィーナスはわりと得意だった方


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グデアの頭のブツブツを鉛筆で全部書いた事があります。


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ラボルト、大好きでした


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コメント避けたいくらい嫌いでした


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そしてモナリザに群がる人の群れ。
もっと暗くてうっとりする展示かと思っていた。
写真をとる人をとりながら「ここは毎日こんななんだなぁ」と考えて、
名画ってなんなのだろうとふと思ったのだ。

その反面、だれも寄り付かない地下の展示室で
美しくひっそり佇む彼女にずっと見とれてしまった。


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そして面白かったのが、鑑賞ガイドさんのなりきりっぷり


かいせつ.jpg




そして、美大生が模写しているのだけど、白衣。
確信犯。

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さすが、とこんなところで感激したり。
posted by akirika at 10:11| Comment(2) | TrackBack(0) | パリ

2009年03月18日

かえしたい物を還しにパリへ

夕焼け.jpg

ベルリンからパリは飛行機で1時間30分。
去年の夏からパリで暮らし始めた友人がにゃんこを案じて贈ってくれたものを還したくて、パリへ。
にゃんこも守ってくれたけど、私の夏からの移動ずくめの日々によりそってくれた大切な物。


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還したかったもの


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本人は見た事がないそうなのだけど、宮崎駿映画の空気感が漂う彼女は、パリでまるで「魔女の宅急便」のような暮らしをしていました。



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私のひらめかないレシピをシンプルに教えてくれた彼女の料理はここでも変わらず優しく美味しかったのです。




ということで、かえしたい物を還すという口実で行った初めてのパリ
結構てんこ盛りだったので、ゆるりと更新していくつもりです。



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2009年03月10日

ざくろの味

今朝はやたら早くにぱっちり目が覚めた、ら久しぶりに晴れていた。
青空が本当にきれいな日。朝から川沿いを散歩する。


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今日は一日中ざくろを相手に悪戦苦闘するふりをするのをひたすら写真で撮る。
トルコマーケットで買ったざくろはとっても甘くて、私の田舎の家の近くの道ばたに成っているのを勝手にもぎって食べたのと全然味が違っていた。

食べながら昔見たパラジャーのフの「ざくろの色」という映画を思い出した。
このざくろの味と色ならばあの映画と重なる。
甘美ということばがすんなりあてはまる映画だった。
そして個人的にはパラジャーノフの世界ははなんだかちょっとだけ折口との世界にも重なる。折口の「死者の書」をあの甘美さで映画にだれかしてくれないだろうか...
監督は日本人じゃない方が良いかもしれないけれど、あの物語を解釈するには、外国人にとっては難しすぎるだろうか。。

などと、かなり妄想しながら、ひたすらざくろと悪戦苦闘するふり。
いや実際苦闘くらいはした。


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自分で悪戦苦闘してるのを、三脚たてて自分で撮るの。一人スタジオの中で...
これぞ自作自演。鳥肌的、万歳。


部屋にこもって制作しているとどこに居るのかわからなくなる。
それはちょっとした悦なのだ。

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2009年03月09日

溢れる週末

去年神山で知り合った方とベルリンで再会。
お土産は徳島で買った生うどん、ロンドン経由、ベルリン着。
こういうの、ちょっといい。

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ベルリンへようこそうどんちゃん。


ご一緒にベルリンフィルやドイツオペラでクラシックバレエを鑑賞。
オーケストラは時々東京でも行く。
けど、今回の指揮者をオーケストラ側から見る席というのは初めて。
とても面白い席だった。
指揮者が空間をあやつる様をめちゃくちゃ感じる席。
しかも私が大好きな斜め上からの視点。


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美術部だけではもの足りず、
コーラス部とブラスバンド部とあとバンド三昧だった高校生時代。
だから、ちょっとだけだけど指揮者に操られ挑発されながら、
音楽という時間軸と空間軸のただ中に居る事の心地よさを知っていて、その陶酔を観客席で思い出したのだ。(あぁ、仲の良かった音楽の先生元気かなぁ....)

それは、親愛なる友人ピアニストK10ちゃんのピアノが操る空間に居たときも重なった事。。。

室内における空間の親密性、指揮者の描く時間への逃走線が空間全体を操る。
それに挑発されたじぶんの内側は溢れて、自分勝手に記憶とつながる。
私はオーケストラを聞きながら何故だか寺院における護摩法要の儀式の密室における空間軸/時間軸と重ね合わせていた。

そして、高校生のときのあの経験は今の私のかなり大事な部分を占めているのだなぁとはたと気付く。


鑑賞したベルリンフィルハーモニーのプログラムはコチラ


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クラシックバレエは多分今回が初めて。ベルリンドイツオペラのプログラムのほうは、普段コンテンポラリーダンスを好んで見ているし、この日のプログラムがストーリー性というより形で見せるプログラムだったので、クラシックバレエが芸術性の高いスポーツのように感じて面白かった。

本場のドイツでピナの世界にはまりたくて仕方ない。。ウッパタールまで行ってみようかなぁ。


普段はクロイツベルグやパンコウ、ミッテあたりをうろついている私が
ティーアガルテン周辺の愉しみを過ごした週末。
物価が違う、当たり前に落書きがない。違う都市に居るみたい。
ベルリンて不思議な街だなぁと久しぶりに感じる。
来たときには鬱陶しいと思ったそこらじゅうにある落書きを
バスでクロイツベルグに入ったとたん現れる様を見ても
思索が止めどなく溢れる、そんな週末。

そして久しぶりの再会は、少しだけ私のあたまの中にあった「?」マークを腑に落ちつかせてもくれた。

人のつながりって不思議で大事。


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2009年03月05日

my first rabbit

スペインアーティストのPiiarが振る舞ってくれたrabbit with rice.

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私には何故かうさぎ多め。
てか、みんな私にはいつも大盛り。。。


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出された物はきれいにたべます。


初めてのうさぎは美味しかったです。
とり肉のようで、でもしっかりと濃ゆい味でした。
昔沖縄の友人がクリスマスに自分でうさぎを絞めてディナーにしたという話をかなり詳細なジェスチャー付きで何度も語ってくれた事を思い出しました。

今月も去る人を送り来る人を迎える会にて。

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2009年03月03日

ごみをすてること

この街では、たいていのお店で瓶とプラスチックボトルの回収を受けてけてくれてて還すとお金が返ってくる。
子供の頃しょうゆの一升瓶を近所のヨロズヤに持っていくとたしか30円くらいかえってきた、あのかんじ。
先週のオープンスタジオの残骸のビール瓶がたまっていたのできれいに洗ってスーパーへ。


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回収機械が自動的に受け付ける店もあるけど、
今日のお店は個人経営のちいさなお店なので
おじさんが数を数えてレジのおねぇちゃんに数字を伝える。


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ビールの中瓶12本で1.2ユーロ 150円
そのお駄賃でちかくのカルト的なBIOのお店でしっかりと重いライ麦パンを1/2斤
(日本だとこだわりのパン屋さんで400円くらいで買う感じのパン)


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1/2斤と云っても顔くらいの大きさなので3日は生きていける量。
今回はビール瓶が多かったのか、それともパンが安いのかよくわからないけど、ちょっとした藁しべ長者。
このやり方には賛成だ。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


昔からだけど私は時々モノが捨てられなくなる。
子供時代に、異常に固執しすぎて溜め込んだのを、まわりの人たちに捨てられた。(それは本当に「くだらないもの」ばかりだったから他人がそうするのは当たり前なのだけど...)
それを思い出しては夜な夜ななんでか毎日泣いていた時期があった。
いまでも、野菜のくずをゴミ箱に入れるのは心苦しい。
それは地球のため、とかロハスとかそう云うのではなくて、
完全に私の癖だと思っている。


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決められたゴミの日に回収する人たちに委ねることに居心地の悪さを感じるのは、自分が破棄するものが自分の前から見えなくなる不安感なのだと思う。
だって、野菜くずを庭に埋めるのはとても心が落ち着くし、
ゴミをアトリエの空き地で燃やすのもぜんぜん居心地が悪くなることはない。
同じように現れている物を消す行為には変わらないのに。。


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人は人類の発生からゴミを自分たちの生活圏の隅っこに捨ててきたのだ。

(去年のwanakio2008の小橋川くんと戸ヶ瀬くんの荻堂貝塚再発掘調査08はそれをきっちりコミュニティアートにおとし込んでいて最高だと思った。)
元々は世にあるもの全てが天然素材で、我々の都合で分別し要らない物を、自然に還す行為がゴミを捨てる行為で、その反射的な行為は今も変わらないとすれば、道路にゴミを捨ててしまったり、煙草の吸い殻を道ばたに捨てる行為自体は、本能的なのかもしれない、と思ったりする。

私はむしろ、その自然に還すことができないゴミを作り出してしまったことの方が本質的にねじ曲げてしまった根源として意識するべき事ではないか、と思うのだ。
人とものと環境との連鎖の円環をとめってしまっているそのことに。。。

先日東京に居る夫がふと
「燃えないゴミがたまっていく、燃えないゴミは人を鬱にするよ...」と云った。
それは妙に言い当てていて、なるほどとおもったのだ。

IMG_0941.jpg


エコロジーという記号のシニファンとシニフェ、それらから捏造された「情報」に私は正直吐き気がする。
罪悪感を憶える私たちは、局所的な応急処置を行おうとする。
潔癖さを貫く事で人が生きていきながら犯していることの免罪符を得られるなんて思っていないし、それを行うもの行わないものの対比は片方にマイノリティの意識を生み、片方には後ろめたさを植え付けコミュニティにおけるスケープゴートをつくりかねないし、それを善悪で判断する考え方を私は信用しない。
その構造はいずれ膿みが破裂するだろう。

それよりもビール瓶がパンに化ける魔法は身近で素敵だと思う。

The catcher in the rye......

夕飯に魔法で得たライ麦パンを食べながら、
十代の頃にに何度も読みかえしたサリンジャーの世界を思い出した。








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2009年03月02日

Open Studio

ベルリンに滞在して気が付いたら二ヶ月経とうとしています。
寒かった冬を越えて、暖かく(といっても最高気温7°くらい?)なってきて
少しずつ木々が芽吹いてきていたり、本当に小鳥が美しい声でさえずっていたり。。

そして、週末はオープンスタジオでした。
それぞれ各自分のスタジオで制作の様子を見せたり、作品だけ見せたり、見せ方は色々なのだけど、私は生活部分は全部隠し、現在ベルリンで展開しているプロジェクトMemory of in your handsを空間としてインスタレーションを展示しました。


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ワークショップで折られた折り紙と、自分自身の「手による作業」に対する考察を連続写真からなるアニメーションムービーの作品にしそれをプロジェクターで空間全体に投影したインスタレーション。


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訪れる方々の反応はとても興味深く、とても刺激的でした。
作品を見せる事、その行為自体私にとっては他者とつながっていく手段の一つなのだと...
多分同じ言語を使う環境だとその実感や意識は希薄になってしまうことなのかもしれない。
けれども、言語が違う状況に居る今、私の思考を一つの作品に凝縮し空間や時間をと他者と共存、共有する事は、アーティストとしてなによりも真っ当な事なのだと....
それは教会でのワークショップでも感じている事。


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でも、やっぱり言語も大切だけどもね....
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