2009年09月12日

げんかんでこおろぎが鳴いている

ヒトヤマ案山子.jpg


今年の夏が暑かったのか、そうでもなかったのかよくわからないまま終わろうとしていて...
季節は変わり、窓から少しだけお外に出てみたら、世の中は期待と不安を同時に抱く時代の入り口にいて、その感覚の当たり前さに希望を感じています。


心の中にいっぱい引っかかって絡まっていたことがほろりとほどけた感覚を覚えた翌日に、なにかに「いや待て違う」と言われるが如くとある土地に引き留められていました。

と云うとなんだか聞こえがいいので、正直に打ち明けると....
ドジって足を滑らせてちょっと高いところから堕ちて大事なところを骨折。

この夏はみっちり療養していました。

堕ちた状況とかけがの具合とかは聞く方が怖くなる感じなので、詳細な説明はやめておきますが、心理的な感覚は、なぜだか堕ちているときからずっと落ち着いていて、ぎりぎり軽症で済んだから言える事だけど、おきるべくしておきた事なのかもしれません。

そんな夏を通り抜けた今、それが何を意味する出来事だったのか、さっぱりわかりません(笑)
現象に意味を求めること事態、愚かな事。
私は未だ過程のなかを歩いているのだ、と。
そんな当たり前の事をさめざめと心地よく心の中にはりつけて帰ってきました。

1ヶ月情報がほとんど遮断されたサナトリウムのような場所での日々。
なんだか心も体も免疫力があがったような気がします。



さて、まだまだ体力は6割くらいですが、ゆるりと日常を動かし始めます。

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2009年09月05日

ながいこと

ブログをさぼってしまいました。

さぼったのではなく、かけない状況に居たわけで。

なんと云うか、

大人の夏休み?

まぶしい空を毎日眺めていました。



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さて、季節は秋。

ゆるりと反芻しながら、日々をまたゆっくり動かしてゆきます。
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2009年07月28日

近況報告

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「心の準備ができたら来てくださいね。」

と言われ5年が経ち。

近所のその歯医者ではなくなぜか徳島市にて親知らず抜歯。

。。。。

そう、いまは徳島に居ます。
この間までは別の場所に居たのですが
リサーチやら、ワークショップやら。。。

kamiyamaws.jpg

kamiyamaws2.jpg


リピーターの子供たちは夏休みの宿題持参で....

宿題のポスターのお題は
「世界平和、身の回りから始める平和について」

に考え込んでしまった。

大人になってもわからない事はわからないね。

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2009年07月20日

虹みた?

ismfileget.jpg


普通の日曜日の夕暮れ
帰り道泣き出しそうな空
みんなが空を仰ぐ。

しずかに現れた二重虹

知らない人が思わずほころばせる最高の笑顔
しばらくして友人からメール
帰宅して虹を見た?と確かめ合う。

こんなに普通な日曜日の夕暮れ
そんな仕合せを
どうしようもなくいとおしくおもう。



写真は友人さっちゃんから送られてきた写真@世田谷。
私はそのとき川崎に居て目の前に大きな虹を仰いでいた。

みんなは虹見た?
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2009年07月16日

居心地のわるい居心地のよさ

わたしの居場所

私たちに与えられたお題は
いつのまにか命題のように時々奥の方でこだましている


。。

とある公的施設から毎月送られてくる便り
最後のページのH氏のテキスト
それを読んで思わず泣く

どうしようもない自分、それは仕方ない

昔H氏とそんな話をした事を覚えている

かれはかれの居場所でアーティストたちのそのどうしようもない部分までも引き受けようと、ほんとうにどうでもいいことをひとつひとつ丁寧に、そしてラディカルに、ひたすら問うている

。。

とある古い工場のなかで迷子になったふりをして
次から次へと扉を開けて進んで行き着いた
空間全体が重い音に支配された
薄暗くしろい閉じられた場所
ふゆかいな振動による音に囚われる


そこから動けない自分に気づいたとき
さめざめと潔い気持ちがした


居心地がわるい
そのことが居心地がよい
それこそが私の居場所なのかもしれない


そして再び私にとっての非日常へ戻る

そこはあまりにも平坦すぎて居心地よくしつらえれているけれど
居心地が悪い。

。。

あなたへ

あなたが日々問い続けている事は私にとって励みなのです
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2009年07月14日

いごこちのいいばしょ

にげだしたねこを さがしにでたまま
もうにどときみは かえってこなかった
いまごろきみは どこかここちのいい
まちをみつけて ねことくらしてるんだね

はしりだせ ちゅうおうせん
よるをこえ ぼくをのせて

(中央線 ピヤノアキコより)





にゃんこがかえってこなくなった。
居心地のいい場所をみつけたのならば、それも彼女のいきる道なのかもしれない。
そうおもいながらも、眠れずに夜があける前の蒼い世界を彷徨いなんとなく探す。
探して見つかるくらいなら、自分で帰ってくる猫だという事も知っているのに。

夕方、ナカザワさんが縁側に来た。
にゃんこのこと知っているのだろうか?
なにかを伝えにきたのだろうか?
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2009年07月10日

ご近所ネタ

ちゃぶ台.jpg

ここのところ自宅のネットが使えなくって、ほぼ毎日近所の友人ひさりちゃん&みきくん宅でネットつながせてもって、そんでついでにご飯たべさせてもらったりしています。
いやまぁこのブログを書いている今もね....

友人のひさりちゃんはTINY CAFEの一代目店長。
タイニーカフェやめてからもヌートリアン祭りをやったり、彼女が密かに出している「やんだ漫画」は最高に内輪ネタだけど、最高に面白い。


最近毎日あってるから、二人でイロイロ妄想が膨らむ。
近所のこの距離感、そこから始まるななにか。。

そういうのも最高にわくわくする。




バッジ.jpg

8ねんくらい前にタイニーカフェによく行ってた頃のメンツのイカした缶バッジ
(サイトーコージ作)
相変わらずみんなご近所。



そう、旦那のみきくんにはキヨシローにまつわるたまらん坂の話を教えてもらった。



たまらん坂も近所なんだけど 今と全然景色が違う....
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2009年07月02日

わすれてはいないこと

今、K10ちゃんのブログピナの永眠のことを知り心がしろくなってしまった。
今年の冬ベルリンにいたので、ヴッパタールまで足を伸ばして見に行こうとしたけれど、すぐに完売でチケットなんて全然とれなくて。。

カフェ・ミュラーでのしずかに、ゆっくりとしかしながら激しく大地そのもののような彼女の動き。それはあの日からずっと体の中に残っている。

きっとこれはわたしの体から消える事はない。
そして、ときどき私はそれを手にとりたしかめるために、私自身の内側に深く深くも潜ってゆくだろう。

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2009年06月23日

ぴかぴかの青空

沖縄みたいな夏空の日に
ながれながれていたごみちゃんとのルヴァンデート。

ごみちゃん寝坊で一時間遅れ(笑)
でも、そんなことも天気が良いとすてきな午後の読書タイムになるのだから不思議。
いやル・シァレが心地よすぎたのか。。

ルヴァンのスープ.jpg

本日のスープはキノコと水菜のスープ。やさしい味でした。


で、ごみちゃんは相変わらずかわいくって、元気。
でも先週まで猛烈に忙しかったはずのおつかれちゃん。
その開放感か、安堵感かな、まったりとでもしっかりと、会話はくるくる。
私は結局行けなかった別府の混浴温泉の話とか、wanakioのとき一緒だったみんなの話、先日のAAFグランドオープンの話とか、おいしいご飯と一緒に、会話も妄想もぐるぐる。

今年の夏は、みんなでわくわくするすてきなことができたらいいねー。
なんて、青くてまぶしすぎる空を眺めながらお互いふわーっっとする。

代々木上原駅への帰り道、いちいち気になる道やらお店やらに入りながら、またお互いに妄想スイッチはいったり。こういうの久しぶりだ。
私もここのところ机の上での悶々作業でちょっと疲れてたのかもしれない。


yoyogiuehara.jpg

代々木上原からルヴァンへの道は、細い道が面白い。
こんな道見つけちゃうと、いっちゃうよね〜


そうして夕方前におたがい次の予定もあるので別れる。
ぴかぴかの青空、なんだかやけに今日は気持ちが沖縄に近い。

そういえば、今日は慰霊の日、沖縄の終戦記念日だ。
ということはもうすぐ沖縄は梅雨明けだね。

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2009年06月22日

梅煩悩

今年はやめておこうとおもったのだけど、アトリエの梅がみごとで、この誘いに乗らないなんて、それは罪だ、ということでばっちり脚立たてて梅5キロゲット。
梅しょうゆ、梅シロップ、梅酒

今年の梅酒は与那国の「どなん」43°と与那国産黒砂糖でつけました。
写真がなんだか沖縄チックですが、東京の我が家です。


梅いろいろ.jpg



うめぼし2009.jpg

夏至の昨日、ちょっと遅いけど梅干も漬けた。
今年は殺菌にどなんを使って、瀬戸内の塩、ベルリンで買ってきたリンデンの蜂蜜。


ちなみに去年はこんな感じ。
一年ってはやいなぁ。
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2009年06月10日

机の上から半径100メートル

hikari.jpg

ある日の朝、学校に行く前にとなりのひかりちゃんから誕生日プレゼント。
ちなみに私の誕生日は4月だけど、彼女のひらめきと行動力は、いつもすてきな4年生。

。。

ここ数週間、机の上で世界を広げたり深めたり。
悶々としてくると、近所にある農家のおばちゃんのお店に行くことにしている。

先週あたりからキュウリと青しそが登場し、今日は枝豆がデビューしていた。
おばちゃんが出す野菜のお題、それをおいしくいただくのが私の答え。
用意された正解はない。

「これだからついつい毎日きてしまう。」
と云うと、おばちゃんはうれしそうに笑っていた。


toufukissyu.jpg

ある日の答えの「豆腐キッシュ」お題はブロッコリーと新タマネギ。

。。

前から気になっていた工房で作業している白人のおじさん。
ときどきここの工房のことは木曜日の秘密カフェ(私は勝手にこう呼んでいる)でも話題になるので、気になってしょうがなくて、話しかけてみたら、いろんなところにいってその場所の土をつかって藁と混ぜてブロックを作って、建物をたてているアーティストなんだそう。
都市、田舎ところかまわず出没するランドアーティスト。
現在はここに滞在して地元産ブロックを積んでトイレをつくっているのだそう。
私のリアクションがよすぎたみたいで、「君は何をしている人?」と即座に聞いてきた。
で、明日2時からワークショップがあるからよかったらおいでと誘われる。

。。

昔からあるけど一回くらいしか行ったことがなかったアロマショップに立ち寄ってみる。
さんざんネットで探しあぐねていた体調に合わせてブレンドされたハーブティが見事な取り揃え。

。。

小学校のちかくにあるびわの木はたわわに実っているのに、鳥も気づかない。
毎日帰ぎわ、熟れたのだけもぎって帰るのがここのところの日課。
小学生5、6人に遠巻きでながめられたので
「ここのびわおいしいよ」と教えてあげた。

。。

yaho_tanbo.jpg

これはうちから500メートルくらい下った田園地帯の田んぼ。
この辺りは暦通りの田植えをするのだろうか、まだ植えていない田んぼもあった。

私の密かなチャリンコ&散歩旅コースのこの田園地帯には湧水群崖線樹林(ハケ)、小さな範囲だけれど雑木林もある地帯。
映画センセイの鞄
のセンセイの家らへんあの景色はこの辺の風景。
大好きな場所。



ここの環境はかなり力を入れて市と地域の人がが保全している事を知る。
年数回のペースでうちの市が「水の懇談会」をやっているっていうのだそう。
私はそんな事をしらなくて、それも最近木曜日の秘密カフェで教えてもらった事。

「水の懇談会」市内在住者、勤務者ならば誰でも参加可、今度参加してみよう。

。。

机の上から半径100メートル(ときどき500メートル)
それを井の中の蛙と云うか、宇宙つながるドコデモドアと呼ぶか。。。



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2009年05月28日

こんなあめのひのひとりのよるには

あいしあってるかい?



ありがとう、涙がでたよ
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2009年05月26日

机の上とフィールドワーク

ホンダくん(仮称)と食堂でご飯を食べた後、再び「せんがわ」で合流しようと言って一旦別行動。
目的は東京アートミュージアム
絶対に向こうのほうが先につくはずなのに、まだ気配なし。
メールしてみたら。。。。

ホ「たぶん駅間違えた感じです(笑)」
私「もしかして池袋のほう?」
ホ「はい、千川です。完全にやっちゃいました。」
私「完璧だね。もしかしてルート検索?」
ホ「駅出てビビりました。机の上の仕事の危ないところっすね。」

つまり携帯のルート検索で「仙川」ではなく「千川」と入力。その情報を信じきって京王線の仙川ではなく有楽町線の千川にたどり着いてしまった彼。

いろいろ面白すぎて、考えれば考えるほど、彼にしかできない奇行。
机の上の仕事をちゃんとフィールドワークした訳だ、なるほど、面白い。
その前に食堂でさんざん話していたことと妙にリンクして、私からしたら机の上の仕事の面白い展開を披露してもらった。ありがとホンダくん(仮称)...



そうしてホンダくん(仮称)は凹みながらも仙川にやってきて合流、伊藤誠さんの作品を見る。

最終日かけこみ、作家本人がいらっしゃったので、器具(作品)を装着させていただく。
見た目拷問ぽい、つけても半分拷問なのだけど、
装着しないと得られない快感。
危ない作品。

作品のタイトルは「船」
人が体感する世界としての船。
名詞ではなく、むしろ動詞としての「船」。
作家の経験と知識とそしてフェティシズムを机の上で手作業により一つの装置に集約された作品。
そしてその作品は装着した者の記憶と感覚に連鎖してゆく。

装着させてもらった私はカヌーに乗ったときのあの水面に浮かぶ浮遊感が意識の中に広がり、そのとき感じた自分だけの海が現れ、二重の記憶の中を泳いだ。
同時に今ここでの軸として、装置の重みと苦しみを感じつつ。。。。


「最終的にはかっこいいかどうかだよね....」
久しぶりにタイニーカフェに行きカフェオレをのみながら、だらっとそんな話でひと盛り上がりして、解散。

極上の机の上の仕事。
その人だけのフィールドの上空を泳ぐような、
もしくは森のなかを彷徨いながら、その森の方法を詳しく手に取るような。。









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2009年05月17日

ニチニチ

久しぶりにニチニチ日曜市へ行く。
アムプリン最後の日以来だから、相当いっていなかった。
そうしたら今月で4周年。そしてものすごい行列。

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いつもだったらさっさと帰るのだけど、帰ったら帰ったでやらなければならないことが待ち受けている ....その逃避で並んでいた。

しばらくして私の後ろに男の子と女の子が並ぶ、二人もこの行列に驚いていて、でもちょっと興奮している。
なんとなく、どっちからという訳でもなく話しかけ、ぽつりぽつりと話が動き始める。

しばらくして、会話は途切れるのだけれど、それがちょっともったいなくて、なんか話しかけてしまう感じ。

そうしていつの間にか一時間が経ち、やっと自分たちの入店順番がきて、買い物を終えた時には、彼らもアーティストであること、そして互いの名前とか、家とか知り合っていた。

それは、すこしニチニチの魔法なのかもしれないと思った。

ニチニチにはウェブサイトがない。
でも、いつだってお店は満席で、日曜市だって、元々はお店で配布しているチラシから始まって、それはもうまさに「口伝」のごとく口コミでどんどん、どんどん広がって、4周年。
行列に人たちは、タテヨコナナメいろんな角度の線でつながっている人たちなのだ。

彼らも私もこの町に住んでいて、でもそんなに大きな町ではないし、けっこう近所だし、きっと何度もいろんなところですれ違っていたに違いない。

出会いはいつもタイミングなのだ。


そうして、彼らとは「今度ニチニチで飲もーねー」と言って別々の方向へ。

風の強い日曜日のお昼過ぎのちょっとおかしくて、あたたかな出来事。


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ニチニチ日曜市のチラシ、来年までのカレンダー。普通にすごいと思う。

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2009年05月15日

秘密基地

夕方、ひかりちゃんが「今、谷口さんのカフェやってるよ」と知らせてくれた。
谷口さんのカフェとは、近所にある自主学校の先生である谷口さんが生徒達が帰ってから大人達だけでこっそり開店するカフェ。

いや、こっそりだかどうかはしらないけど。。。

私は秘かに谷口さんがつくっている風車とかプランターを利用した水車に釘付けなので、そんな秋葉系な話もしてみたかったから、自作のペットボトルの光る風車を持って学校へ。


  kazaguruma_yu.jpg

人知れず、勢い良くまわる風車、かわいい


学校ってもアパートを教室にしているので、畳間でちゃぶ台。
お客さんは生徒のお母さんたち。
お母さんたちも、先生も同世代だし、子供達も私も良く知っているので、話題は止めどなく、今谷口さんが編んでいる、竹籠(竹馬をばらした竹から生徒達と一緒に竹材からつくったのだそう)をみんなでまじまじ見てみたり、私の新しいひかる風車の案を見てもらったり、ほかにもあんなことしたら楽しいね、とか野望が小さな茶の間でどんどん膨らんでいく。

すこし暗くって、そんで親密で、だらだらしてて、慌ただしい日々の留まり木のような....そんな時間。

木曜日限定秘密基地、これからちょくちょく行ってしまいそう。。。



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2009年04月30日

水のなかで

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泳いでいると、自分の思考の世界が水の世界全体に広がっていく。
そうなると、もう全然関係ない方向からいろんな物がつながっていくのだ。





昨日、沖縄から「貝塚在中」と書かれた茶封筒が届く。


貝塚.jpg


それは、去年のwanakioで小橋川くん&戸ヶ瀬くんの荻堂貝塚再発掘調査08の報告書で、スタイルもちゃんと調査書として貫きつつ、彼らの持つ男子な感じのあの匂いみたいなのがこの冊子にまでぷんぷんしている素晴らしくて、よみながら嬉しさがこみあげてくる一冊。
貝塚2.jpg


彼らのそんな男子力が差し水となって、私のあたまの中がぐるぐるしてきたので、それを水の中でひたすら考えたくなって、久しぶりにプールで泳ぐ。


ぐるぐる ぐるぐる


先日、仕事の後にハラダくんと100円の珈琲を飲みながら、だらっと長々と真剣に話した。

日常のへんてこでどうしようもない円環のこと、
日常が抱えているどうしょうもない現実のこと、
それらはぜんぜんどうしようもなくなくてどうにかしなければいけないこと。
でも、それをアートが解決できると思うほど、能天気ではないのだけれど、呆然としてしまっている側の見方になりたいと思っている事。

その話がまだ頭にこびりついていて。
気が付いたら水の中でそのことをばらばらにしてはつなぎなおしていた。


ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる


夢に出てきたようなまち。
二度と手に入らない地図。
そのまちは私の頭のうえに乗っかっている。
けして見る事は出来ないけれど、ひたすら思い描き、うっとりする妄想の場所。


無人島?
いや、人は居るかもしれない、でも居ないみたいかもしれない.....

私は水の中で、ひたすらそのまちの地図を描く。


ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる


そうだ、
小窓からいろんな世界を眺めている彼女に
このまちの話をしてみよう。

きっと素敵なまちの地図の妄想の続きが見れるにちがいないし。
お互いの地図をへんてこな角度でつなぎ合わせる事だってできるかもしれない。







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2009年04月24日

くりかえし くりかえし

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となりのひかりちゃんの口笛

5年ぶりにあった祖母がなんどもなんどもくりかえす昔の話

日差しの強い秋の日、私に向かってといかけてきたハミングバードの歌



くりかえし くりかえし

リトルネロ 静かに 永遠に 呼吸の様に 反復する



........... つまりリトルネロとはテリトリーを示すものであり、領土性のアレンジメントだということ。例えば鳥の歌。
鳥は歌をうたうことによって自分のテリトリーを示す......

........... リトルネロとは表現的になったため領土化されたリズムとメロディーのことであり、リズムとメロディーが表現的にはるのは、領土化をおこなうからである。

........... 表現的な質は自発的に運動を起こすということなのだ。
表現性は一定の環境で一定の運動を起こす一時的な衝動の直接的効果に還元されるものではない。そのような効果は、主体的な印象か動揺ではあっても、決して表現とはいえないからである。(たとえば、一時的な衝動に駆られた淡水魚が見せる一過性の発色がそうだ。)逆に表現的な質、たとえば珊瑚礁の魚が示す色彩は自己ー客体的である。自分が描くテリトリーに客体性を見出すからだ。


「千のプラトー」(リトルネロについてより)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


私はやはり、島をつくろうとしているのだろうか。

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2009年04月22日

memory of in my hands

彼女と知り合ったのは何年前だっただろう。

狭い部屋でふたりきり小さな休憩台の上にインスタントコーヒー
はじめ私たちはとてもぎくしゃくしていた。
そのぎくしゃく具合がいまは懐かしくなるのだけれど...

「お互いに相手の体温をよむ癖がある」とその時私は感じた。
そして彼女は無意識に同じ体温を求めている事も私は知っていた。

私はそれに気付かないふりをしてみたり、
ときどきその温度にあわせてみたりしていた。

それがぎりぎりだったから。


ある日彼女がおやつに小さな包み紙のチョコレートを持ってきた。
長過ぎる休憩は、私たちにその包み紙で小さな鶴を無数に折る時間と、意識せずして互いに2人だけが辿りつくことができる体温を得る時間を与えた。


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しずかに しずかに くりかえし くりかえし


呼吸、声、互いに癖のある手作業
それらのリトルネロが描く曲線が
2人だけが共有するテリトリー生む


懐かしくて
エロティックで
そして清々しい


偏執
だけれども
根源的

それは私の手の中に残っている記憶

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2009年04月15日

平坦な日常の落としあな、または抜け道?

inokasirakouen.jpg


このあいだの日曜日に、永岡くんと井の頭公園へ。
桜の時期の井の頭公園に行くなんて、ちょっと無茶だったけれども、なんとなくだらっと井の頭公園で八戸の去年のプロジェクトのことを振り返ってみたかったから。。

用意された休日そのもののその場所は、池にはボートがびっちりで、林には木々の間に人が埋まっていた。

それをぼんやり眺めながら、振り返るというよりお互いの目線の会話をした。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


近所の農家のおばちゃんのおみせの野菜が今は品薄でどうやら今は端境期のようだ。
私がキャベツはいつ頃?と聞くと、
「そうねぇ〜上手くいけば、ゴールデンウィークあけかなぁ...」

そうだった、未来とは、そして自然とは約束できるはずがない。

それでもやっぱり春キャベツの塩揉みが食べたくて、
普段はあまり行かない駅前のスーパーへ行く。
春キャベツは売られていたけれど、高すぎて断念。
かぼちゃの煮付けに気分を変えて、根菜コーナーへ、そうしたら北海道産ワンカット300円 ニュージーランド産ワンカット97円と、見た目はそっくりの二種類(?)のかぼちゃが隣り合わせに売られている。

どっちかというと今、旬を向かえているのはニュージーランドじゃない?
(そんなことはないか....)

なんだかそれは、生産者と消費者の営みなんて関係ないところで、食べることと経済を一緒くたにしてしまった、そんなへんてこな世界の落とし穴のように見えたのだ。

私はしばらくかぼちゃの前で考え込み、ニュージーランド産を買った。
北海道産には悪いけれど、彼らの誘いに乗るのはやっぱり不愉快だ。
いや、誘いにのったのか?
既にその店に足を踏み入れている事自体が誘いにのっていることなのだろうけれど...

ニュージーランドからやってきたかぼちゃだって、ベルリンで出会ったオレンジ色の皮の「hokkaido」って云う(!)かぼちゃでだって美味しいかぼちゃの煮付けは出来るのだ。


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ほらね。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


スーパーの帰り道は激しい雨。
久しぶりの恵みの雨を心地よく感じながら、先日永岡くんが話していた生産者中心の市場についての彼の考えの話が、私の内側でずっとくすぶっている事に差し水を注してきた。

美術が暮らしの先のハレの場所、祭として存在できるのであれば、人と人を、そしてコミュニティとコミュニティとをダイレクトにつなげる祝福された場所になる。
それは何も今更始まったことではない。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

ひさしぶりに着た黒のウィンドブレカーのポケットから去年稲刈りのときに入り込んだのであろう稲籾が数粒すみっこにかたまっていた。

あの天空の場所のような田んぼもまた今年の田仕事が始まる頃だろう。


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相手のために用意する事はなにもなく、自分自身の傾き方を貫く事でつながっていく一つの線を幾つも自分を通過させる事。


そう、私たちはいつでも雀蜂と蘭の関係になりえるのだ。
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2009年04月10日

トーキョーの街に帰ってきました

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リムジンバスのお兄ちゃん達は、いつもきびきび親切な対応。
帰ってきた人も、訪れる人たちも、ものすごい安心感に包まれる。


まったくといってJet lagになっていなくて、普通に暮らしが始まっていて、ずっとここにいたんじゃないかという感覚に陥る。



フンダがスタジオに残したお守りを持って帰ってきたのであけてみた。

フンダのお守り.jpg



近所の桜通りの桜は今が一番美しくて、そのせいでみんなが幸せそうに見える。


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グランドでキャッチボールする人を眺めながら、中也の詩が降りきた。

 春は土と草に新しい汗をかかせる。
 その汗を乾かさうと、雲雀は空にのぼる。
 瓦屋根今朝不平がない、
 長い校舎から合唱は空にあがる。

 ああ、しづかだしづかだ。
 めぐり来た、これが今年の私の春だ。
 むかし私の胸うった希望は今日を、
 厳めしい紺青となって空から私に降りかかる。
 
 そうして私は呆気てしまふ、バカになってしまう

 中原中也「春」より抜粋


私の新しい歳に降りてきた詩。


帰ってきて食べたかった卵ご飯を食べる。

卵ご飯.jpg


夜色っぽい満月が出ていた。

誕生日の月2.jpg
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