2009年06月20日

むかしみた映画

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映画に求めるものはプロパガンダなどではなく、問いを問いのまま宙吊りにすることだ。
正しいとか正しくないとか、そんなことはごまかしなんだと、映画を見終えた後、心の底からニヤリとした。
映画の内容はまぁグロすぎて、なぜだか胃もたれしていたけど...


自分だけが傍観者ではなく、問いの中に自ら身投げする。
なるほど。

ベルリンで見た「精神」も同じ感覚を覚えた。

「精神」公開始まりましたね、興味の有る方は是非。

そして、10年前に見た映画は「死化粧師オロスコ」




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2009年02月18日

ぐるりのこと

日曜日はベルリン国際映画祭の最終日。
夏に東京で公開されていたけど見逃した「ぐるりのこと」を見る。

90年代バブル崩壊後社会全体が大きなパラノイアに傾いていったとき、負荷のかかった部分が腫れ上がってやがて膿みがでてきてしまった。そんな社会背景をきっちり描きつつ、普通を普通に見せ且つ心に入るってくる。それぞれの事情、それぞれの傾き方、そしてそれをとりまく社会。

映画「ぐるりのこと」はリリーフランキーと木村多江の演技によって、日本で営みを行っている私たちにとっては自然に且つ巧みにリアリティにするりと入り込む。
ベルリンでこの映画は「普通」なのだろうか....

そして制作はシグロ、そこにもぐっときてしまった。
大好きな映画をいつも有難う。

映画を見終わったら外は降り積もった雪で真っ白な世界。
自転車をつれて地下鉄で帰る。
少し手前の駅で降りて雪の夜道のサイクリング。

ひんやりした雪が顔にぴたぴた触れるのを心地よく感じながら、映画を反芻し、この映画を夏に見ていたら、今の私はどういう感じだったんだろうと、すこしそんなふうに思ったのだ。



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2009年02月08日

Berlnale 59th ベルリン国際映画祭

映画は独りで観に行くのが好き。しかも単館モノで、最近はドキュメンタリーをどうしてもチョイスしてしまう。

久しぶりに地下鉄にのってBerlnaleが始まっていることを知る。
土曜の夜、どうしても独りで映画が見たくなり、想田和弘監督の『精神』を引き当て、夜22:15からの上映に駆け込みでアレキサンダープラッツへ。


アレキサンダープラッツの塔.jpg

霧がかかった塔を見て、なんだか映画みたい。。と映画を観る前に思う。


『精神』は精神病院に通う患者を撮ったドキュメンタリー。
http://www.varietyjapan.com/news/movie_dom/2k1u7d00000guftd.html
映画は2時間10分ナレーションも、音楽もなく、ただただ患者の生の姿がそこに映し出されている。通常TVなどのドキュメンタリーだと名前は仮称で顔は撮らない。
しかし、ここでは顔と表情が終止映画の重要な表現になっている。
最後のテロップで、出演した患者さんの中で、既に3人この世から去っていることをみじかい文章で告げる。
その三行は、見るものに問いを投げかけている。

映画が終わって質疑応答。すばらしい、という賞賛ばかりが並ぶ。それはそうなのだけど、なんだか心地悪い....と思っていると最後に日本人の観客がそれに反応して監督へ問いをなげかけた。
「あなたは大変なことをしてしまったんじゃないか」と...
でも私は、それは監督にかぎってのことではなく、私たちの日々は誰もがそうしてしまう可能性にお互いあるということ。

そう、お互いに。

社会は常にそのアンバランスさを情報という捏造された事実で覆ってしまうことでバランスを保っているふりをしているということを想田和弘監督は抽出しようとしていて、その行為の線上に今回の「精神」という映画が現れたのだと私は感じた。

つくる側からの視点でこの映画を観ると、コミュニティに関わることの危うさを感じられずにはいられなかった。
関われるのはごく僅かな時間で、でも関わったからにはお互いに影響を及ぼしてしまう。そうでなければ作品はリアリティを伴ってはこない。しかしそれを引き受け、且つアーティトとして作品としての映像をつくりあげていくには、相手を傷つけそしてこちらも傷を負うこと、それを避けることは出来ないだろうと思う。
しかしながらドキュメンタリーフィルム『精神』は想田和弘監督の作品だった。

みっちり1時間ほど質疑応答が終わったのが深夜2時前。
全然地下鉄もバスも走っている。


√9=±3

映画に出てきた記号から派生する自分自分勝手なイメージを思い浮かべながら、霧に包まれた町並みを眺めながら帰宅する。

..............................

59th Berlnaleは来週の日曜日まで。
日本で見逃した「ぐるりのこと」もやっている。
今週は久しぶりに映画三昧もわるくないかも。

映画が普通に850円(7ユーロ)くらいでみれちゃうんだもの。

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2008年07月03日

「靖国 YASUKUNI」を見る

やっとみにいけました。
最近「いのちの食べかた」も見たりして、気が付けばドキュメンタリーづいています。

映画「靖国 YASUKUNI」は事実を事実のまま繋ぎ合わせた映画、プロパガンダに陥らないように細心の注意が払われていました。
問題は問題のまま浮遊するのみ。
ただ、最後のほうに映し出される目を背けたくなる映像、、まるで自分がやってしまった失敗の様に嫌な感触にとらわれていることに気付き、自分にもナショナリズムという感覚があるのだなと思いました。
映画をみた直後は少し物足りなさを感じたのですが、見終わって色々反芻しているうちに、ドキュメンタリーとして素晴らしい仕事をした映画なのではないかとじわじわきています。

また、子供のときにはそれが普通だと思っていた昭和天皇のあの独特な口調は宣命の口調なのだとはっとしたり。。。
民俗学、特に古代の日本民俗学の世界が気になっている私は、刀という象徴についていろいろ感じてしまったり、ツボ満載の映画でした。


しかし、2ヶ月くらい前は数時間で当日券満席で見れなかった映画「靖国」、、今日はがらがらでした(水曜日なのに。。)
みんなすぐに忘れちゃうね。(人の事はいえませんが。。)


いのちの食べかた
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/

「靖国 YASUKUNI」
http://www.yasukuni-movie.com/
posted by akirika at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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