2010年08月19日

そうめんナイトと瀬戸内国際芸術祭と阿波踊りと神山

11日
路地と人で、斉藤くんたちのグループ展Circle Xのオープニング

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原田企画ちゃんと久しぶりになんだかゆっくり話をして、
この場所の事をお互いに反芻しあった翌日、私は西へ向かう。

。。。

12日
一昨年の冬、八戸で知り合った永岡くんと岡山のかじこでおちあい、夕暮れの川沿いを散歩。
彼は今北京で働いていて、相変わらず忙しく、でも感受性豊かに生きている。

よるはアキリカプレゼンツ、そうめんナイト。たくさんの方におこしいただく。みなさん地域になんらかの形で根ざした活動をされている方々、そうめんをかこんでぐるぐると話が繋がる夜。

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かじこは、架空の場所のような感じ、旅の途中の夢の場所のような、ふわりとした時間だった。


。。。

13日
翌朝皆が寝静まっているかじこを後に永岡くんと小豆島へ向かい、肥土山、中山を巡り、夕方高松へ渡って仏生山温泉で汗を流し、夜には徳島の阿波踊り。
はじめての阿波踊りは、魅せることで場所を開き、繋げること、その様々な手法を体感した。


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。。。

14日
永岡くんと軽トラで神山を巡る、私が好き勝手につなぐ道を、永岡くんは彼のアンテナでダウンジングしていた。


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夜、永岡くんと別れて、高松。
言事堂店長のみきちゃんと再会。

。。。

15日、16日
みきちゃんと再び肥土山、中山と三都半島を巡る。
肥土山の人たちが守ってきた森や、猿が出没する道、そして私が昔から遊んでいた場所へも案内した。
彼女は沖縄で地域を見つめ、美術と暮らしを結びつける試みを絶えず仕掛けている達人。そんな彼女に島の場所や人に出会ってもらう事は、とても興味深かった。

。。。

17日
みきちゃんと豊島。
作品を巡る前に、祖母の家に立ち寄り、おじとおばと話をする。
作品はどれも面白くすばらしかったが、やはり地域の人たちが疲労している事は否めなくて、この温度差を近づける方法はないのだろうか、とぼんやり帰りの船で考える。


。。。。。

芸術祭が始まるずいぶん前に、地元の人と芸術祭とは?という話を幾度となくした事がある。それはものすごく疲れる対話だった。

芸術祭が始まって、私は私の信念に基づいてこの祭りをたのしんでいる。

岡山ー神山ー小豆島ー豊島
慌ただしい旅は、私がこの腑に抱いている思いを確信する旅。
旅と日常はややもすると交差する、私の今の日常はそんな距離感なのだろう。


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posted by akirika at 14:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 小豆島

2009年05月10日

出合いなおす旅。

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家は伝法川の河口で、昔大きな台風が島を直撃したときに、床上浸水になった。
その後くらいから、堤防の斜めのところにざくろが自生している。
「危険立ち入り禁止」の赤いはたは子供の頃からたてて有るけど、何故だか決してこの木を抜くことはしない。

子供の頃、このざくろをもぎって食べたけどものすごく酸っぱかった。
ベルリンのスタジオで作品のためにざくろと格闘しながら、ざくろはどんな道をたどって家の前の堤防の隙間に辿り着いたのだろうと考えたりした。
ベルリンのトルコマーケットで買ったザクロは甘くて美味しかった。


家の正面には八幡さんの山がある。こんもりお椀をひっくり返したような山。
その山のてっぺんにちょこっとでもしっかり見える社の角をいつも無意識に見ていた。
帰ってきたご挨拶に八幡さんにのぼる。
通っていた中学校のすぐそばにあって、相変わらず休日の野球部は練習三昧。

社の裏にこんもりとした小さな山があって、てっぺんまできれいに整備している。
今の神主さんは幼なじみのお父さんで、そのセンスが伺える。
いままで気が付かなかったけれど、てっぺんには、石神さまが祀られていた。


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家のトイレの窓から、見えるこのこんもりとした山。
トイレから眺めていた場所はここだったのかもしれないと思う。


近所の宝生院のシンパクにもご挨拶。

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宝生院の隣には別の幼なじみがすんでいる。
大声で名前を叫んでみようかとおもったけど、一応二児の父なのでやめておく。
シンパク翁は今も尚重たい身体をもたげながら、ゆったりと空を仰いでおられた。

幼なじみの家のとなりの病院は、病院ではなくなっていて、そして途中のニワトリ小屋からはニワトリが消えていた。


高松港から土庄港へ行く航路から見えるこうのぼりの群れ

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廃校になってしまった戸形小学校のPTAの方々が今も尚毎年子供達の願い事を乗せた鯉を泳がせているのだそう。

コミュニティとは、その地域を愛おしく思う行為によって、守られていくのだと、ベルリンの、土地とは全く隔絶したコミュニティを散々見て辛くなってしまった分、ここの小学校跡地に来てほっとしたのだ。



毎年この時期に肥土山地区で農村歌舞伎がある。

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出演者ももちろんの事、全てのスタッフは地元の人でまさに老若男女全てが関わる地元の行事。

高校の時にいろいろつるんで楽しい事してた旧友は、すっかりこの地区を引っ張って相変わらず面白い事をやっていて、彼の営み、つまり土地で生きていく事、受け継ぎそして受け渡し、やがて老いて往く事を当たり前に受け入れること。
そんなことを彼の話から沁みるように感じた。


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肥土山は島ではあまりない山に囲まれた海の見えない地区。
その地区の名前のごとく、稲田が広がる地区。

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数年前同じく農村歌舞伎を見に訪れた時、地元の翁が
「文化を守るためとはちごうて、自分たちの班で終わらせたら恥や、という意地でこの歌舞伎は続いとんや」と云っていたことをときどき日々の暮らしの中でも思い出す。

観光資源も、海の資源も持ち得ないこの地区が営みとして選ばざるを得なかったの稲田。そしてそのコミュニティを永続するべく生まれた文化がいまも尚営みとともに受け続かれている事、それはかれらの意気込み以外の何物でもないだろう。


秋祭りの太鼓を担ぐときの団結力にもそれがはっきりと現れていたことを、山と歌舞伎を眺めながら思い出し、その時感じた事も思い出すというよりも再び引当てて、自分の気持ちの中に溢れだしていた。

ゴールデンウィークの古里への旅。
古い友人、そして出会ってまもないけれど心の底の方でつながっている友人、それぞれの視点、それぞれの生き方、そんな彼らの営みを対岸に見据え、自分の居る場所を感じる旅。

出会いなおしの旅。
いやもしかしたら、また新しく出会ったのかもしれない。

posted by akirika at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 小豆島

2008年10月15日

記憶への再会

3年ぶりの古里との再会。
それは景色であり、人であり、空間であった。

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posted by akirika at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 小豆島
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